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<<   作成日時 : 2005/01/25 07:17   >>

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 マルクス・アウレーリウスは『自省録』という書物を残した。著者の名はローマ帝国の五賢帝最後の皇帝マルクス・アウレリウス・アントニヌス帝として世界史の教科書にも登場する。
 岩波文庫の訳者序文を見ると、彼の治世はプラトンのいうような哲人政治が唯一実現した例という。しかし皮肉にも在位末から政治は乱れ始め、軍人皇帝の時代へと移っていく。内容は自省の記録ではあるが、また多くの箴言も含んでいる。『荘子』とよく似た部分があるのは興味深い。第二章の七番などは外物篇と同様だし、十六番などは無為自然そのままともいえる。
 マルクス・アウレーリウスは子供時代から賢く、よく勉学したという。読書と瞑想が好きで内向的だったこともあり、戦争を好まなかった。58歳で死を迎える直前、「戦争とはこれほど不幸なことか」とつぶやいたとされる。戦争は人間性の不名誉であり不幸だとする。
 思想はストア哲学そのもので、宇宙(の理性)という語がたびたび登場する。「宇宙の自然」に服従し、その自然のなすことをすべて喜んで受け入れること、そして何物にも動かされぬ「不動心(アタラクシア)」に到達することで、人間の幸福と精神の平安が得られるという。このあたりは仏教典にも通じるところがあって、人間の思想の共通項をみる思いがする。

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